Notes on The Wasteless Land. ? and ?/田中宏輔2
 
こと、彼の最も奥深く、最も秘めやかな、考え、感じ、生きる方法に密着するということである。」と書いているが、この「自分のものではないあり方に順応」することができるというのも、プルーストが、ジイドのいう「他人の気持を自分の気持ちとして感じる」「自己喪失の能力」といったものを持ち合わせていたからであろう。もちろん、こういった「他人の気持を自分の気持ちとして感じる」「自己喪失の能力」というものを持ち合わせているのは、なにも、詩人や作家たちばかりとは限らない。だれもが持ち合わせている能力であろう。友だちや恋人とのあいだで、仕草や癖がうつることは、それほどめずらしいことではないし、よく言われることだが、長くい
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