Notes on The Wasteless Land. ? and ?/田中宏輔2
 
来、筆者は、ひとと話をするときには、自分の意見をほとんど口にしなくなったのである。「おまえは狂っている。」などと、二度と言われたくなかったからである。しかし、その代わりに、よく友人たちから、「なにを考えてるのか、さっぱりわからない。」といったことを言われるようになったのであるが。

「一人で交互に犠牲者になったり体刑執行人になったりするのは、快いことかもしれない。」という言葉が、ボードレールの『赤裸の心』一にある。ジイドもまた、『贋金つかい』の第?部・八に、「自分自身からのがれて、だれか他人になるときほど、強烈な生命感を味わうことはない。」と書いている。筆者が、ヴェルレーヌに対する堀口大學の
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