帰郷(新訂)/ひだかたけし
 
とおくのびていく
声 、
ういういしくかなしく

しずかさの相貌帯び
やがて
ひかり輝きあふれ

わたしは待機し
あの遥か忘れられた
ふるさとを想う

ふるえながらふるえながら
あこがれにゆれふるえながら

明日のことは
わからず
もう
わかる必要もなく

今、安らぎ瞑目し
意識 真一点に集中し

のびいく声の
ひびきひかり放つ
更なるふかみ
在ることの
いのちたましいの
内なる宇宙へ

感覚を引き裂き
表層を陥没させ

入っていく

怒りも嬉しさも
熱狂も幻滅も
絶望も希望も
心、揺るがせること
なく

初々しく哀しい
静かさに

澄みわたり 、

いつかの果てに

やがて やはらかく

帰郷する。


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