予感の年/岡部淳太郎
年が明けて二〇二六年になった。今年は様々な意味で
予感の年になるであろう。それは社会的にも個人的に
もだ。社会的にはしずかな崩壊への予感が次第に形と
なって現れてくるように思えるが、俺個人としてはど
うか。元々俺は二〇二四年に脳出血で倒れて以来片麻
痺となり、それまでの健康は既に崩壊している。それ
ならば、俺に訪れるものはいったい何だろうか。思い
返せば一九八〇年代という軽薄な、やがてバブルの狂
騒へと突き進んでゆく時代が苦手で仕方なかった。俺
の青春はその時代たともにあったのにも関わらずそう
であったのだ。つまり、俺の青春は時代と伴走してい
なかった。時代は俺とは無関係にバ
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