祈祷歌/森 真察人
 

わたしはこれが全身と、その著しい力と、
その美しい構造について
黙っていることはできない。
『ヨブ記』第四十一章第十二節


およそ完璧なる日々というものは
頑なにわれわれに姿を顕(あらわ)さない
土塊(つちくれ)から練られたひとりびとりが
骨と肉
その髄までもが腐り
正面からおのれの胎盤を呪うとき
この世界の構造は無条件に均整で
そう われわれは信ずる外に手立てはない
われわれは生まれるために 信ずる外に手立てはない
われわれは病むために 信ずる外に手立てはない
われわれは滅するために 信ずる外に手立てはない
とこしえに憤(いきどお)ろしい条理という条理に抗するために
信ずる外に手立てはない

草木から鉄までもが
忘れるために性に隷(したが)い
考えるために死の淵を覗く
日々は
孤独と幻想に基づいている
その大いなる御業に
おもわずわれわれが微笑するとき
性という死の部分が
あるいは死という性の全体が
われわれにその顔を向ける

神は演技している
なにものも変わるな
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