沈黙の時間に整理してみた。/足立らどみ
AI以降に氾濫する饒舌で浅はかな話し方に対し、ネット詩人が今できる具体的実践が示される。対抗言論を作るのではなく、「話し切らない」こと、作品を未完で出すこと、コメント欄で同意も否定もしない応答を選ぶこと、速度を落とすことが提案される。沈黙そのものは投稿できないため、削除の痕跡や躊躇を可視化することで「沈黙の質」を共有する。また、AIを饒舌さの鏡として使い、AIが書けてしまう部分を削ぎ落とすことで、自分の言葉の輪郭を知る実験も示される。
最終的に、ネット詩人の役割は教育者になることではなく、「教えない姿」「決めない姿」「黙る選択」を公共空間に置くことだとされる。意味が確定していない言葉や回収されていない感情は、将来疲れた誰かの避難所になる。沈黙の使い方を試し続けることこそが、AI以降の時代における最も希少な技能であり、この対話全体はその実践の記録である。
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