詩は衰退したのではなく、移動した――日本詩歌ジャンルの制度と影響力/atsuchan69
 
ャンルが担ってきた影響力が他領域へと移行しているという事実は、現代詩をはじめとする詩壇の表現を否定するものではない。それは、詩的言語が新たな条件のもとで再編されていることを示しているにすぎない。次章では、この状況を踏まえ、詩壇批評の位置づけを改めて検討する。


6.考察:詩壇批評の再定位

 前章までの検討から明らかになったのは、詩的言語の影響力が失われたのではなく、その発揮される場が変化しているという点である。この認識は、現代詩をはじめとする詩壇批評の立ち位置を再考することを要請する。

 従来、詩壇は詩的表現の中心的な担い手として、価値判断や評価の基準を形成してきた。しかし、詩
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