詩は衰退したのではなく、移動した――日本詩歌ジャンルの制度と影響力/atsuchan69
 
ことができる。

 俳句をこのように捉えることで、次章で論じる現代詩の専門化と周縁化は、単なる失敗や退行ではなく、詩歌ジャンル全体の制度的分業の一環として位置づけることが可能となる。


4.現代詩:専門化と影響力の縮小

 現代詩は、戦後日本において短歌や俳句とは異なる軌道で成立した詩的ジャンルである。定型からの離脱、自由詩の導入、さらには海外文学理論との接続を通じて、現代詩は高度な表現的・理論的可能性を獲得してきた。しかし同時に、その過程は現代詩を次第に専門的な領域へと導くことになった。

 戦後の現代詩は、個人の内面や言語そのものへの批評的意識を強く持ち、既存の価値観や形式
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