詩は衰退したのではなく、移動した――日本詩歌ジャンルの制度と影響力/atsuchan69
ての位置を次第に失っていった。
本稿では、これら三つの詩歌ジャンルを、単なる形式差ではなく、制度的配置と影響力の分配という観点から捉え直す。そのうえで、かつて詩歌が担っていた大衆的・感情的作用が、現在では音楽、ポピュラー文化、新しいメディア空間へと移行していることを指摘する。すなわち、詩は衰退したのではなく、制度の内部から外部へと移動したのである。
1.分析枠組み:制度・ジャンル・影響力
本稿が用いる中心的な概念は、「制度」「ジャンル」「影響力」である。ただし、これらはいずれも固定的な実体を指すものではなく、言語表現が社会の中でどのように配置され、どのような機能を果たして
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