自称詩人外交/花形新次
どんぐりが不作で
食料が足りないため
自称詩人は冬眠出来ず
人里まで降りてきて
農作物を食い荒らすだけでなく
村人、特に死にかけた老人を襲って
食料にしている
もともと自称詩人の住処は
地方都市の三畳一間の小さな
アパートと相場が決まっていたが
近隣住民の
「なんだかあの人気味悪いわ」
という声の高まりにより
どんどん追いやられて
今は山奥にスマホとともに暮らしている
基本的に力はなく
弱いので「コラッ!」と怒鳴れば
逃げていくが
それでもダメな場合は
ホウ酸団子を餌だと言って食わせれば
泡を吹いて絶命する
生き残った場合は
自称詩人外交と称して
白黒に塗って
中国に大量に送り込む計画もある
戻る 編 削 Point(1)