正しさ知らない誰もわるくない/百(ももと読みます)
 
いる。



 ぼくの暗黒時代は思春期よりはじまっていて、激昂したオトウサンに,「おまえのものや、この家になにもない!」と言葉で打たれて無理やり衣服を脱がされた。しりもちをつきながら、ずぼんを脱がされたあとに、お隣りのお家まで下着姿で助けを求めた。



 追いかけてきた両親はいいわけするでなく、ぼくの精神性に悪意をすりつけていいのがれをしていた。ひとりぼっちでいぢめられて、仲間はひとりもいない、あのときの裸のままの子どもが、いまも、ぼくのなかで泣いていることをぼくひとりが知っている。



 なんでもひとりでできるようなことをいっていたから、暴力をふるったとオトウサ
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