わからない、だろうが/あらい
 
いだけで口もとをおさえた。習慣のように咳込む、過程として新しい糸は切れ呼びかけは昼をすこし過ぎた、皮膚のように悔い契る、うわずみが剥がれていく、生き死にのモンタージュ
 ここではないどこか、鼓動、短い一瞬だとすれば薄っすらと手を使うか足を伸ばすか、つよい小指とただしい薬指とを、貪るように輪をいだいて編む――そりゃもう駄目だろうとして取り繕う、追い出すこともあるまい、
 一枚の金貨は黙っている。
 その顔から見抜かれる?わからない、だろうが?死者はいつも決まって なにもないから片隅で、訴えても、岨(そわ)彼方の風媒花はどこまでもどこまでも続いていくのであった

――みつめ返すために解
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