わからない、だろうが/あらい
 
り庭の出入り口に斜めにつられた地にかんばせと掻いて蒼白と憂いて、いま、海上を一望する。わたしは瓶詰めされた/朝もやと夕ぐれを連れ歩く
 必要なのは、美化された瞳孔の黄ばんだ信号を駆け足で望む、視線は爛れ表層を剥いでゆっくりと游ぎだす要項は片々の河を亘る。無秩序な壮烈、睨み、転じてせせらわらうだけだった。明るい悲鳴が朝一番で、おきがけの揺光に、練色のとけかかる加護、次の瞬間、考えてみれば、きつい細径に佇むあれは――物陰の名ばかりに破軍星、もう春のたそがれか
 鉄錆色の味わう筆録もたいして、フィルムとも誘発され異聞の首も振る、耳をそろえて沢山、病棟は説き起こす。おろしたての目的地に宿直するための水
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