わからない、だろうが/あらい
 
、ひんやりとした潮水は玻璃を転じて残滓を拡げゆく。語彙を反(かえ)すように唸る、クレーンがゆっくりと動き、皓いアワがあぜを越え冬を迎える

どこからが新説だ。と、ともなく永く延びた影だけが取り残されたところで呱呱(ここ)に絡みつくは、軋む隕鉄の葛だ。時や場所を厭わず飛来する、私の言質だけが傷跡と癒着していた

指南書(テキスト)などという破廉恥な未来(ゆくさき)に憧れて、書斎は目論見ほど辛いホゾのだるさで。ひとかけに囚われた、おとなが子どもに書いてみせたような絵だったらきっと、無意識と埋めだされた知から、私から生まれてきて

しろいひとかげの。あずまやで伴うまな
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