たとえ食らい尽くしても満たされる事は無いだろう/ホロウ・シカエルボク
ていのものはそれで出来上がりなんだ、少しでも考えることを必要としたなら、それは頭で考えただけのものになってしまう、理路整然とした見栄えのいいトラディショナルな形式に終始しただけのものは良く出来ていても面白くない、俺はそれが表現の本質だとは思わない、いつだってそれは身体の中に留めておくことが出来ない激情の為に用意される場だったはずさ、魂をどこまで引っ張り出せるか、どれだけ色濃くそれを焼き付けられるか、そういう場だったはずだ、俺のやることはいつも同じだ、言葉だってそれほど変わりはしない、それでも必ず何かを手に入れることが出来るのは、それが瞬間の記録であることを理解出来ているからだ、一秒の中にどれだけの
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