Emanation/牛坂夏輝
の柔らかい性欲が流れ、意図的なウツボのシャンソンが流れ、没落したラッパ吹きの造形美あふれる卑劣な映像、音をたてずに破裂する知性の両頬に与えられた獲物の歴史が流れ、拒否された犠牲者のバターライスの寝台が流れた。「ぼくのバターライス食べてしまったの? ぼくはダダイズムみたいな馬を引き連れて公園を徘徊した、その際には、何の関係もない読書、何の関係もない食事が、提供されたのだ、ぼくは、本当は、バターライスが食べたかったけど、もうないの? 雨の日々や骸骨の日々が、とどまることのない臓物の鳥たちを誘導しているというのに」これは夜明けとワセリンの言葉。一軒の家がゆっくりと目を開けた。モグラとトカゲの幸福を瓶に入
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