復路光路。渇いた群衆/あらい
蝋が、返信する、電子オルガンとあり水琴窟の耳鳴りとなり、これら 閑な波音に殻を被せ海に抜き取る 甘い匂いを放つ幸せ。あえかに揺れる木々の影が、砂浜に息絶えていて 墓場のように解きまわる朽ちた蛇の波に
遊泳場に肢体だけ、踏み入れるとひとっこひとりいない、冷たく強かに絡みつく わたつみ、そのものが。白砂の孔にいつか腐魚が立ち上がる。あなたは帰り道を見失い、幻想的な天使の氷雨で水脹れができていた。精緻に彫られた塔や門、衰弱した円を剪る。砂の城まで。単なる胚と総て吸い込むままに待っていた。そっと寄せては返し少しずつさらっていく
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