ひとり暮らし/とうどうせいら
 
頭上一面に広がる
果てのない青空
雲も 霞も 霧もなく
手を伸ばしても届かない
高みに
もっと高みに
果てのない青空
抱えきれないほどの
太陽光の乱反射

中空に浮かぶのは
ピンで挿したようにとまった
真珠の満月
餅をついてる兎の影も
輪郭まできりりと見通せそうな

時々振り仰ぐ
そして少し不安になる
吹き抜ける風が私の頬をかさかさにする
北国のものとはまるで違う
あたしはここで何をしているの

高みに
もっと高みに
底のない青空
抱えきれないほどの
初めてのひとり暮らし




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