他人の自画像/イオン
 
絵画は脳裏に詩を紡ぐ
詩歌は脳裏に絵を紡ぐ

画家の石田徹也は
自分の絵を「他人の自画像」だと語った
彼の絵を見た私は
自分の詩も「他人の自画像」だと思った

自分の本当の姿は直視できない
鏡や画像でしか見れない以上
他人を通しての自画像しか描けない

彼は三十一歳で早世し
没後に出世した
早世してから注目された
中原中也や宮沢賢治のようだ

絵具を買うために生活を切り詰める
つき合っていた恋人とも
「幸せすぎて、絵が描けない」と別れたと言う
情けない自分を皮肉った
ちょっと怖い自画像が
鑑賞品として売れるとは思えないが
それしか描けなかったゆえに貧し
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