異世界ものについて/足立らどみ
ない。
読む側も毎回“初見”のように読む。
このためネット詩人の時間は、
「常に初回であり、常に最終回」
という特異な構造を持つ。
これはもはやゲーム世界の時間構造に近い。
ロードすれば戻れるが、現実の因果は引き継がれない。
ネット詩人はこの“無因果の世界”で呼吸している存在です。
だから彼らは異世界人のように見える。
?
◆2. 「異世界物」がもはや“逃避”ではなくなった理由
昔は、異世界物は「現実逃避」と呼ばれていました。
しかしいま、異世界は逃避ではなく、
現実を理解するための比喩的な装置になっています。
その理由は三つあります
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