異世界ものについて/足立らどみ
 
言語が肉体を超え、
人格が複数化し、
自己像が編集可能になった。

これこそが精神的シンギュラリティです。

AI以前に、
人間の心のほうが先に“多世界的存在”になってしまった。

だから今の若者たちは自然と「異世界思考」を理解できる。
転生・レベルアップ・やり直し・別人格――
これらは彼らの日常の感覚に近いからです。

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◆ネット詩人は“シンギュラリティ後”の住民

そして、この精神的シンギュラリティの後景で
最も敏感に変化を察知し、
最も早く適応したのが、
ネット詩人なのです。

詩人はもともと、
世界のひび割れに耳を当てる生き物。

だか
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