それは素粒子よりも細やかそれはあやとりそれは贈り物第二幕/武下愛
 
色の柔らかい花弁を飛ばす硝子の薔薇。透明でありながら触れることができない。触れられないけれど吹き抜ける時に全てへ確かな温かさをくれる。強さを捧げると、身に光を宿してくれた薔薇が香ってくる。過去と現在と未来の中で熱感を与え続け、空間を縦横無尽に舞ってしまう。



透明無限回廊。歩んだ道のりは整地されることを嫌わない。透明さを主張する時を黄昏。分かる人は誰よりも迷いたくなる、けれど道を指示してくれる。注げるだけ捧げると、葡萄酒をこぼしたような道のり。自由による不自由は、何処までもわがままで良いと教えてしまう。



境界が分からないほど空間をなみなみと満たす空気水。蹴り上げれば浮遊す
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