Alice/
月乃 猫
ないと、
はやく、はやく
少しだけ
向けた妹の顔に
もう行くのですか、
まだ、たくさん話したいことがあるのに、
細身の背が部屋を後にする
こらえ切れず
裸足のまま妹の後を追うだけ
妹とウサギは、振り向きもせず
庭のはしの小さな穴の中に
消えた
足をとめ
でも、灰色の世界と
おさらば、なら
だから 小さな穴に 不思議な世界へと
身を・・投げた・・
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