十一月の嵐/
みずほ太陽
仕舞い込んだ紅茶を
いれ直して
今年はじめて来襲する
十一月の風雨に
備える
深夜十時に
飼い犬が眠りから覚め
近寄ってきた日曜日に向かって
吼える
悪夢から目覚めたように
電気ポットは一滴たらし
それを手受けする
システムキッチンは
底冷えしていた
不意
いつともなしに来た
メールの音が聞える
それは
冷たい決断を施した
淡い塊で
十月から
十一月にかけての
一つながりを示す教示のようだった
冬の
音が聞えてくる
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