海王星からの光の定期便/歌留多カタリ
足裏の蹉跌が
砂まじりの濁った水底を浚い
にわかに降り出した雨の中を走らせる
フロントガラス越しに見ていた
ワイパーに払われる雫と視界の左右に
吸い込まれていく風景のあいだを
いつまでもいったりきたりしている
雨の匂いとシュプレヒコ―ル
その青白い日々の中に何が生まれたのか
何も生まれなかった
ただ取り残された気持ちだけが
今も取り残されている
(光の文字列はここで途切れている)
それにしてもあの郵便機のパイロットは
星域の気圏をはみ出して相変らず無駄な飛行を
続けてるだろうなあ
今のところ、そいつには金も時間も
かからないとかいってたからさ
2025-11 友人Оのために
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