全行引用による自伝詩。 09/田中宏輔2
 
いた大地の底で』5、伊藤典夫訳)

ここまで来てしまうと、何もかもが変わる。
(コードウェイナー・スミス『老いた大地の底で』5、伊藤典夫訳)

 いまの人間のいったい何人が、古い憤りのひりつく冷たさを味わったことがあるだろう? 太古にはそいつが糧だった。しあわせを装いながら、いきるはりは嘆きであり、怒りであり、憎しみ、恨み、希望だった。
(コードウェイナー・スミス『老いた大地の底で』2、伊藤典夫訳)

(…)ク・メルが人間に通じているのは、なによりも自分が人間ではないからだった。ク・メルは似せることで学んだが、似せるという行為は意識的なものである。(…)
(コードウェイナー・スミ
[次のページ]
戻る   Point(11)