全行引用による自伝詩。 09/田中宏輔2
 
葉に暗号のような意味がある感じになってくる…… 暗号にとりつかれて…… 人間は次々に病気にかかり、それが暗号文になっている……
(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』病院、鮎川信夫訳)

忍び笑いの暴徒が焼かれているニグロの叫び声と性交をする。
(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』必要の代数、鮎川信夫訳)

 代数のようにむきだしの抽象概念は次第にせばまって黒い糞か、老いぼれた睾丸になる……
(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』委縮した序文、鮎川信夫訳)

 ばらばらに砕けたイメージが、カールの頭の中で静かに爆発した。そして、彼はさっと音もなく自分の身体から抜け出していた。遠く離れ
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