奇跡の朝/秋葉竹
抱きつきたい
さまざまな朝を経験したと想う
いくたびも心澄む朝を
いくらでも憂鬱な瞳の朝を
日々気持ちは流れ揺れ動き
ただ救われれば大丈夫だけれども
なにもかもが動かない朝も
鼻歌を歌うような朝も
さいわい今朝まで
生きて来れた
それだけでも
あゝ
ありがたいことだと想います
たいせつな言葉なんて
そんなに数多くありはしないと
知っているつもりだが
朝起きてそこに
『おはよう』と云えるひとがいるって
なんていうか
戸惑ってしまうほど
しあわせなんだって光り立つ心
君にすがりついて
泣きつきたいほどのしあわせって
さまざまな朝を経験したけれども
今朝が初めてなのかもしれません
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