冬の子供 蒼風薫/エヴァル−ジュ
駅にゆく道すがら
子供がしゃがんで俯いている
俯いた背中が震えている泣いているのだとわかった
道ゆく人を見ていると
皆邪魔そうに避けていく
中には蹴飛ばす真似をして
薄ら笑っている人間も
声も書けるにかけられずに
隣にそっと寄り添って見た
背中をさすってあげるかわりに
バラバラに切られている前髪をなぜた
その前髪だけですぐわかった
きているものでもすぐわかる
冬なのに つんつるてんのセーターだけ
冬だから て指が赤く滲んでいる
切ない思いを持て余しながら
この場を立ち去らない とわかった
この子がもっと凍えてしまう
私は真冬の北風だから
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