むすめ自慢/月乃 猫
一、 娘は 見目麗しく
寒さの夜さえ
せつなく 手を伸ばし
家の近くの男たちを徘徊させる
一、 化粧気など 少しもないけれど、
美しく それはきっと
洗顔を怠らないから
一、 やさしく
私がどうしょうもなく
眠れぬ つらさに、
すぐ気づきそばに 寄り添い
語られない慰めの声に
悲しみが 壊れていく
一、 誰以上に 身体能力がたかく
脚力も素晴らしい
もし 100メートルをためすなら
ええ、10秒台も夢などではなく、
助走もせず
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