しょうめいたん/あらい
 

死んだようになって
立ち尽くしている ともしびが差し替える
ボタンの飛ぶ不規則なアケビの伴奏
吹き溜まりで火花が さき揺れる油膜と蹄
またこだまする かすかに耳によぎる

檻の影で眦をあげる人形のように
ここで私を抜け出し、見苦しそうに寝返りを打つ
浅い川に漂う。すなわち落ちてくる眩暈、勝手に軋む
ぽたり、ぽたり、泥を抱え、風が溢れていく
やわこいソファーのしぐさ。点滅、点滅、
歩く前はかがみ、イメージを振り払っては継ぎ足す
うすい縞を描くデスクで。腹を濡らし。口許も締まりなく
拭えない耳を支配する まだ体温を失わない 幻の舞台
ただ黙って。では頷き合う。それさえ、しかたないことがら


戻る   Point(3)