be here now/ホロウ・シカエルボク
 
取り敢えず置いておこう、そこについてあまり話せることは無いからね、俺がしたいのは精神の話なのさ、精神のある領域における瞬間の蓄積というのは放っておけば勝手に溜まっていくというものでは決してない、それは自分が無数の瞬間の中からほんの少しかすめ取ったものを投げ込んでおく場所なのさ、それが時にはこうした羅列に変わったり、ある種の悟りへと導いたりする、修験道の行者たちが自らを苦境に投げ込むようにね、あれはきっと生きた時間、瞬間を身体に刻み込むためにそういったことをやっているのさ、西洋の宗教にもあるだろう、片腕を上げたまま過ごすとか、顔に何本針を刺すとか、あれはそうすることで自分の道程というものを身体に刻み
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