全行引用による自伝詩。 07/田中宏輔2
 
嶋田洋一訳)

 どんなものも、過去になってしまわない限り現実味を持たない。それまではただの踊り回る影でしかないからだ。?今日?というのは冗談であり、偶発的で流動的だ。高らかに歌を歌うのは?きのう?だけだった。
(マイケル・マーシャル・スミス『ワン・オヴ・アス』第2部・13、嶋田洋一訳)

「でも」と彼はブルーノに言った。「もうぼくは以前のぼくではなかったんです。そして、二度ともとのぼくに戻ることはないでしょう」
(サバト『英雄たちと墓』第?部・1、安藤哲行訳)

(…)脳裏に残っていたのはとりとめのない言葉、ちょっとした表情や愛撫、そして柱の断片のように響いたあの見知らぬ船の憂鬱
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