全行引用による自伝詩。 07/田中宏輔2
 
第三部・21、増田まもる訳)
愛が彼女を狡猾にしていた。
(トマス・M・ディッシュ『334』334・第三部・24、増田まもる訳)
(…)そんな音に耳をかたむけ、外の美しい光景を眺めながら、ぼくは思った。
(このすべてが永久に失われてしまうのか?)
その問いに、どこからともなくアイネイアーの声が答えた。
(そう、このすべてが失われてしまうの。それこそが、人間であることの本質なのよ、愛しい人)
(ダン・シモンズ『エンディミオンの覚醒』第一部・10、酒井昭伸訳)
「ぼくはいまその原因について、かなり思い当たることがあるんだ」と彼はおもおもしげにいった。
 そういうのは当たり
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