真夜中の会議は踊る(悩み多き感情たちの詩 その6)/涙(ルイ)
ある日の真夜中のことでした
感情たちが一同集まって
涙は一体誰のものかという議論になりました
開口一番に手を挙げた悲しみちゃん
そんなの私のものに決まってるじゃない
すると横から淋しがり屋くんがすかさず手を挙げて
いやいや ボクのものに決まってるじゃないかと
わたしのものよとツライちゃん
ボクのものだと苦しみくん
もしも涙が他の誰かのものだったら
この先どうやって生きていったらいいのかわからないと
嘆きはじめる不安がりちゃん
誰もがこぞって自分のものだと云って譲りません
怒りんぼくんが突然 テーブルを叩いて怒りだしました
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