雨、月曜の、まだ暗い朝に/山人
ない体であるのは重々承知ではあるが、背に腹は代えられない事情も無いではない。ただしかし、あのドライな性格の課長であるが故、一旦辞めた人を遣うことは無いだろうという覚悟は居るだろう。
今年度の家業はほぼ盛りを過ぎた感じだ。あとは数組の予約があるのみで、概ね来年三月以降まで閑古鳥が巣くうこととなる。冬はまたいつものように無人駅の除雪作業員としてシフト制で働くこととなろう。昨年はJRの下請け会社から雇われた形になっていたが、今年もそうらしい。よって、なるべく作業員を削りなるべく賃金を出さないように工夫するであろう。その末端が我々なのである。何も特別な技術もなく、年齢だけを重ねた人種というものは
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