全行引用による自伝詩。 06/田中宏輔2
ってしまった。糖菓(タフイ)のような色の髪と、黄色いドレスと、小さなレース飾りが、彼の目の前で、木の柵の閉じられた門と、小走りに遠ざかってゆく足音に変わった。
(シオドア・スタージョン『夢見る宝石』2、永井 淳訳)
子供はどこに生まれつこうと、そこに生涯かかってもまだ尽きぬほど、驚嘆すべきものを発見しつづけるに違いない。
(カート・ヴォネガット『パームサンデー』?、飛田茂雄訳)
いま、ラヴィナは強い人だった、と言いました。(…)今にして思えば、彼女は強さを装っているだけでした。それはわたしたち人間にできる最善のことです。
(カート・ヴォネガット『パームサンデー』?、飛田茂雄訳
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