全行引用による自伝詩。 06/田中宏輔2
よって、いやされていたのだろうか?
(イタロ・ズヴェーヴォ『トリエステの謝肉祭』9、堤 泰徳訳)
小さな人間の本性をはずかしめ、おとしめるのは、その願望が実現するときだった。
(イタロ・ズヴェーヴォ『トリエステの謝肉祭』10、堤 泰徳訳)
アンジョリーナはがんこな嘘つきだったが、本当は、嘘のつき方を知らなかった。
(イタロ・ズヴェーヴォ『トリエステの謝肉祭』10、堤 泰徳訳)
ステファンヌは私に夢中だ。私という病気にかかっていることがようやくわかった。こっちがなにをしようと、彼にとっては生涯、それは変わらないだろう。
(エルヴェ・ギベール『ぼくの命を救ってくれなかった友へ』8、佐宋鈴夫訳)
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