全行引用による自伝詩。 06/田中宏輔2
とした態度を受けることにしかならない作家たち(たとえば、アルトー、ロートレアモン、ランボー)の断章を例によって暇つぶしのために読んだりすることになる。
(サバト『英雄たちと墓』第?部・35、安藤哲行訳)
マルティンはふたたび視線を上げた、今度はほんとうにブルーノを見るためだったが、まるで謎を解く鍵を教えてもらおうとする眼差しだった、(…)
そのとき、ブルーノは何かを言おう、沈黙の埋めあわせをしようとして答えた、
「ああ、分るよ」
しかし、何が分っていたのか? いったい何が?
(サバト『英雄たちと墓』第?部・2、安藤哲行訳)
いったい、どこに本物とにせ物を見分ける基準があ
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