感傷 蒼風薫 /梅昆布茶2
見失った
時に一体何ほどのものがあるのか
先ほどから少女が現れては立ち去ってゆく
それこそ命懸けの眼差しで訴えては やがて悲しそうに
というよりは私が
邪険に 冷酷に追い払うように
消す、
全くそんな風に
だって
見損なったよ
ワードもデータも手放して
もうこんなことには終止符を打ちたい
ほんとうに要らない
そして部屋には花を飾る もしも自分を愛せたら
唐突に額に当てられ
あの本物の乾いた音と同時に衝撃が走る
ある時にはいつ住み着いたのか
恐ろしい鳥のようなそれが頭の中で奇声をあげて鋭
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