叙情文芸271投句 蒼風 薫/梅昆布茶2
日本上空である
三月の日なたのベンチで飲むときはこか・コーラだって春色ソーダ
三月の静かな雨の降る夜の私は亡くした猫を懐かしむ
帰りたい町が浮かんだ昨晩の意気地の無さに強く悔しむ
皆が持つあの人いう名のサンクチュアリ荒川河川敷に住む人
すみれ咲く日々を失いこの街で生きた時間のその中の春
公演の砂場で遊ぶ子のいない春を数えて桜散る散る
商店街とは名ばかりの江戸時代より続く道に灯るコンビニ
大トロより中トロなんだと聞いたから憧れてない大トロの味
札幌の回転寿司の皿の上見知らぬ蟹寿司見える写メール
空き箱となったポンカンたたみつつこの資源ごみは
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