弱すぎる/泡沫の僕
 
一番恐ろしいのは、己の弱さ。
そいつが囁く、言い訳という名の誘惑。

夜半過ぎ、映らないテレビに自らを写して、
滲む爪先を凝視した。
奇妙な雨音だけに耳を傾け、
ただ、逃避した。

そいつは冷たい夜からだけ来るのではない。
寂しさからだけ来たのでもない。
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