夢の中/秋葉竹
高い天井
大きな窓
シャンデリアが吊られた豪華な部屋
夢の中の浮遊感にたゆたい
私は目を細める
右には
ダークスーツを着た男性が
チラチラとこちらをみて
ときおり静かに微笑んでいる
左には
青い制服を着た赤い髪の若い女性が
ピンクのドレスを着た若い女性と
手をつないでいる
中央には
薄紫色の髪の女性が
ボリュームのある赤いガウンを着て
こちらを訝しんでみている
夢を食べられていたあのころに
なにものにでもなれていたあのころに
よくみていた部屋だ
孤独な刃に斬られるようなその部屋には
想わずみあげる高い柱と
床に敷き詰められた赤いカーペットが
溺れさせるように
孤独な想いを強めてくれる
目がさめれば
きっと私は泣いているだろう
はるかとおくまで生きる希望だけが
あまりにもまんまとあたたかすぎて
そのような訳で
目がさめれば
きっと私は泣いているのだろうと
愛よりも確実に
知っているのだ
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