強い草はどこにでも生える/ホロウ・シカエルボク
つだけが秀でることはあまりいいことではない、自分の持っているすべてを同じように育てることだ、本当はそれこそが成長と呼ばれるべき成果なのだ、ひとつの真理を表現するのにひとつの言葉しか要らないということはない、あらゆる角度からそれは語ることが出来る、語り得るすべての言葉をポケットに入れて歩くべきだ、そうすればその時その時の感覚に最も適した言葉を瞬間的に選び出すことが出来る、近頃じゃ身軽にするのが流行ってるみたいだが、そんなの俺には何の役にも立たない、俺はすべてを持ったまま生きて、そのまま死ぬ、天国か地獄かその後の行く先はわからないけれど、神様か閻魔様が腰を抜かすほどの業を抱えて見せつけてやるさ。
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