ウィンク/ひだかたけし
 
この秋に入り
深い紫の桔梗の蕾、
ふっくらぷっくら
少しずつ膨らんで
今朝に弾け咲き開き

これかい?
うん、これってば!

わたしの中の巨きな何かの
渦巻きながら頷き あゝ
わたしの脳髄から背筋脊髄へ
伝わり貫き生き呼応しながら
深い深い紫の光彩へ挨拶し

全て凍り付き透きとほる
手前で咲き誇る桔梗の花の
こんなにも濃く哀しい美しみ
忘れ去られずに刻印される
俯き加減の深紫の五角形
わたしの中に大きく巨きく
くるくるぐるぐる脳髄抉り躍り
次第に全身へ伝わり響く想い
私と云う存在にも込められいて

その想い何かを確と認め識ること
只ひとりヒト、あなたの使命だよ

そうウィンクするこの秋の訪れ
普き安らぎの内に凍り付く時控え
今朝に咲き開く桔梗の深紫輝かせ

曙光の流れを刻み込みながら 、

凶暴なる蹉跌、肉身滅びの予感内懐に

(震撼する魂を緊張させては解放させ)

私の意識の奥処に更なる光源見出させる




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