ケイヴ/おまる
 
っていた。

この一大事に、都内の人々も大童となっていた。画面の向こうで、自分一人では何にも出来ないような、無力な人が、よせばいいのに首相の文句をいっていた。まるで自分の今の境遇は、政府のせいなのだ、とでも言いたいような口ぶりで、馬鹿の一つ覚えのように、ひたすら「政府」を罵っていた。



それだけではないか!それで「まずいことになった」といって、恐怖を煽るだけで、この人間のいうことは、絵空事ばかりだった。それは弱い、一番弱い人間のやることだ、とマキちゃんは思った。




瞳くんから電話がかかってきた。



「話してもいい?」と、電話の向こうで、瞳くんの声がした。
「いいよ」
「さっきは、、ごめんなさい。でも、どうしてあなたが、あんなに怒っていたのか、わからない」



マキちゃんは返事は、しなかった。
「俺のせいなのは、分かっている」
「あなたは、子供だからね」
「」

「あなたと、いっしょになりたい、好きです、付き合って下さい」
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