秋口、〈真なる私〉の理解に向け/ひだかたけし
今迄もっぱら
外からの刺激に依って
目覚めるを、
今に自らの内なる力で
徐々に少しずつ灯を燈し
明るむ意識の視界 、
漆黒の夜闇の最中に
すっと純白、
石柱の両脇に立ち並びつ
無限伸びいく回廊の
全て次第に光輝帯び
瞑目ひたすら 自らに問う、
真の自己、〈私である〉とは
真なる自己意識とは
そう問い掛ける私の
既にして思考し
ならば先ず、
この思考の意味・根源とは何なのか
そうして時を日々を重ね、
観念思弁論理を突き破り
表象複合*の静観に徹し
三年近く過ぎ今に至り
思考それ自体の力を体験しつつ
自らの思考の
自らのものであり
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)