破壊、そして光/青の群れ
溜め息の底は
深海のように冷たく
静寂が押し寄せては
肺の奥に沈殿していく
鼓動だけが遠く
異音として響いていた
夜道を遮った
野良猫の影を追いかけて
切り取った写真は
不鮮明な輪郭のまま
ストレージを圧迫する
そして
積み重なる日常の隙間から
染み出す亀裂
破線、点線、それは
自我と暴力の境界線
誰かが踏み込むたび
突然傾いていく世界を
あれから14年
何が変わったの
何度も
触れていたはずなのに
何度も
生まれて何度も死んでいる
下手くそなヴァイオリンは
擦れ違う風のように濁っていて
やがて
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