カラメル/guest
 
が一匹いて可愛かった
俺に似てると言った女の子も今はむかし

魔法は溶けて俺はただの壮年の物書きだ
だれかのために叙情詩を書いて暮らしてる

見上げることもなくまぶたの裏に映る未来
素麺茹でるのもそろそろ終わり、夏は終わり

あなたと目が合わないことが悲しいと思う
会っても意味がないみたいで仕事が憎くなる

あの街にいた頃も俺はずっとその美しい夢を
思い描いては忘れようと努力してきた、ずっと

冷めちゃった飴みたいにきらきらして脆い恋を
もったいなくて食べられないから、あなたに
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