東小金井『オーダー』/北村 守通
 
をした。そして、どちらからともなく相手の体を引き寄せると、がっしとお互いを抱きしめあった。
「いやいやいやいや!何年振りよ!」
「俺たち、卒業した後はぜんぜん会ってないよなぁ・・・と、いうことは三十うん年ぶり?」
「え?そうなる?なるわなぁ・・・しかしお前は変わんないねぇ・・・」
 と言いかけて、頭に目がとまった。
「いや、そこ見るのやめて。ほんとに。まさか自分がこんなになるとは思わなかったんだけどさ。」
と、一度頭を撫でた後に、ピシャっと平手で自分の頭を叩いて見せた。それからまじまじと私の方を見た。
 「ところで・・・苅谷って、昔と比べてパワーアップしたというか・・・」
今度は私
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